こんにちは!Rieです。
宿泊費を抑えたいときにとる選択の1つがキャンプ泊。
特にスヴァールバル諸島ではホテル代が結構高かったので、我々もやむを得ずキャンプを選択しました。
これから同キャンプ場での宿泊を検討している方に向けて、「設備はどう?」「寒くない?」といった疑問や不安が少しでも解消できるよう、そのときの記録を残しておこうと思います。
きいろ滞在したのは6月上旬にゃ
キャンプ場は空港の目の前
まず、スヴァールバル諸島にはキャンプ場が1つしかありません。
ツアーの一環でキャンプ泊をすることもあるようですが、基本的に宿泊地としてキャンプ場を選ぶ場合には、スヴァールバル空港近くにある「ロングイェールビーン キャンピング(Longyearbyen Camping)」が唯一の選択肢となります。
もちろん我々が泊まったのもそのキャンプ場。


空港近くというか、空港の目の前です。笑
飛行機でスヴァールバル空港に着いた後、そのまま徒歩で簡単にアクセスすることができます。
ただ、キャンプ場は柵で囲われており、出入りができるのはキャンプ場の表側と裏側に1つずつある2箇所のゲートのみ。



なんとなくで歩き出すと遠回りになる可能性があるにゃ
空港はキャンプ場の裏手にあたるので、空港からアクセスする場合は裏側ゲートを利用します。
空港を出たら目の前にある駐車場をそのまままっすぐ突っ切ると、道路のそばに上記写真の看板があるので、そこから下におりてください。
看板奥にちらっと写っている白いゲートからキャンプ場の中に入ることができます。


しかし、私たちが行ったときには、キャンプ場内の特に裏ゲート付近に大きな水たまりができていたり、広範囲にわたって地面がぬかるんでいたりしたので、受付まで一直線に向かうことできないどころか、場内で回り込めるエリアを見つけるのすら難しかったです。
そのため、結局一度外に出てから迂回をして、表側(建物がある側)のゲートからアクセスすることになりました。
私たちのように、訪問のタイミングによってはそのようなこともあるかもしれません。
その場合は左右どちらからでも表に回ることができますが、キャンプ場は地味に広いので、回り込むのにそこそこ時間がかかりました。
目の前にあるのにも関わらず、入り口(表側)に辿り着くまで意外と遠かったです。笑


かわいいワンちゃんがお出迎え
そんなこんなでやっと正面ゲート(表側ゲート)に辿り着くと、かわいい姿が見えました。


このキャンプ場には大きなワンちゃんが2頭います。
キャンプ場の正面ゲート付近に彼らのお家があるので、犬が苦手な方は出入りの際に少し怖さを感じてしまうかもしれません。
しかし、ここのワンちゃんはとてもお利口さんで、大人しく人懐っこく、基本的に吠えたり噛んだりすることはないように感じました。




とってもフレンドリーでかわいい子たちなので、犬好きな方はぜひ彼らとのふれあいも楽しんでください◎
ちなみに、一応ホッキョクグマ注意なエリアなので、彼らのお散歩時には飼い主さん(スタッフさん)はライフルを携帯していました。
文字通り住む世界が違う…
キャンプ場の設備
受付は正面ゲートから入って左手にある建物内で行います。


意外にも、日本と同じで建物内は土足厳禁スタイルのようなので、入ったら靴を脱ぎましょう。
入ってすぐのところにスタッフルーム的な部屋があり、そこを訪ねてチェックインをしました。



チェックインとテントを張るのとどちらが先がいいか選ばせてくれたにゃ
私たちが行ったときは女性の方が住み込みで1人で運営しているようだったので、もしそこに人がいない場合は、キッチンや周辺を探してみてください。
そして、テントはエリア内好きなところに張ってOKなようです。
我々の他には3〜4組ほどの宿泊者(ほぼ1人旅)がいる程度だったので、非常に空いており場所は選びたい放題でした。
そんな中選んだのは建物のすぐそば。


キャンプ場は広く、みんなも建物から少し離れたところに張っている中、建物の入り口の目の前に張りました。
自分でも少し笑える近さでした。笑
しかし、水回りなどの共用設備は建物内に集約されており、かつ周囲は水たまりに襲われる心配も少なそうだったので、この建物に近いところが安パイというか、なかなかいい場所ではないかなと個人的には思います。
その共用設備ですが、まずバスルームはこんな感じ。








男性バスルームと女性バスルームとに分かれており、それぞれ入ったところが1枚目の状態。(写真は女性バスルーム)
トイレとシャワーと洗面台とが1つのエリアに集約されています。
トイレは1つ、シャワーは2つありました。
ただ、シャワーに関しては、扉は1つで中で左右に分かれているという感じなので、誰かと使用が被ったときには少し気まずいかもしれません。
また、温水シャワーを利用するには別途トークンを購入する必要があり、トークン1枚(5分間の温水シャワー)はNOK10かかります。(現在NOK1=およそ15円)
冷水でよければトークンを購入せずともシャワーを浴びることができますが、この寒い地域ではなかなか厳しいのが現実。
使用するときには、バスルーム内にある機械に投入すると、シャワーから温水が出るようになります。(女性はバスルームに入って左上のところにありました)


そのようにシャワーには少し制限がありますが、バスルーム自体は思ったよりもきれいで、十分快適に利用できる設備でした。
ハンドソープやハンドドライヤーも設置されており、手ぶらでトイレに入ろうともきちんと清潔にできます◎
洗面台の隅っこには過去の滞在者が置いていった、いわゆるご自由にどうぞ的な物たちもあるので、何か思わぬお助けアイテムも潜んでいるかもしれません。
そして、キッチンエリアはこんな感じ。






キッチンエリアもきれいで、こちらも快適に利用できます。
冷蔵庫や電子レンジはありませんが、ケトルやお鍋、調理器具、食器、カトラリーなどが一通り揃っており、自身の道具がなくても何も問題ありません。
テーブルや椅子もそこそこあるので、宿泊者が少ない場合にはスペースの心配も必要ないでしょう。
食事をするときはもちろん、普段からここでのんびりすることができます。
むしろお外やテント内は寒いので、お出かけ時以外はここで過ごすことが大半です。笑
そんなにあたたかくはないですが、一応建物内は暖房が効いています。


建物内はしっかり着込めば問題なく過ごせるかなという気温でした。
また、キッチンエリアには望遠鏡が設置されており、近くにいる鳥たちを観察することも可能です。


やっぱり寒い?
はい、寒いです。
めっちゃ寒かったです。
日中は室内に入ればなんとかなるので大丈夫でしたが、夜テントで寝るときが一番辛かったです。
正直、毎日なかなかに苦痛でした。笑
ただ、これには我々の装備の乏しさも1つの要因としてあります。
スヴァールバル諸島にはバックパックで世界一周旅行をしている最中に訪れたので、持っていける物には限界がありました。
このときのキャンプ装備はテント、ごく一般的なエアーマット、快適使用温度5℃の寝袋、トラベルシーツ。
そして洋服はマウンテンパーカー、ウルトラライトダウン、Tシャツ、長袖シャツ、極暖ヒートテック2枚、スポーツレギンス、デニムパンツ、あったか靴下です。
上記の服を全て着込み、トラベルシーツと寝袋にくるまって寝るスタイルで夜を明かしていましたが、それでも寒くて寒くてあまり熟睡することはできませんでした。
そのとき持っていった全ての物はこちら。


そんな環境の中、特に問題だと感じたのが底冷えです。
地面からの冷気がとてつもなく、これが一番の寒さの要因でした。
私が使用していたエアーマットは断熱機能など何もないもので、他に持っていた洋服をマットの上に敷いてみても特に変わらず、どう頑張ってもひたすらに背中側が寒かったです。
それが改善されるだけでだいぶ違うなと感じたので、スヴァールバルを含め寒い地域でキャンプをするときには、まずは断熱機能が抜群なマットを用意するのがポイントかなと思います。
個人的に色々調べておすすめなのはこの2つ。
断熱性はもちろん、重さやサイズ感、お値段など、あらゆる面から見て総合的にいいなと感じた商品です。
旅行などには特に最適。
そして、次いで寝袋も4シーズンや極寒対応のものを揃えるともう完璧です。
確かに寒いですが、装備さえしっかりと整えれば、一般人でも全然問題なくキャンプできる環境だと感じました◎
寝るとき以外は建物内に避難できるし、こんなポンコツ装備でも生きて帰れてるので。笑
ちなみに、このときスマホで見た予報ではこのくらいの気温です。↓


白夜な6月ともあって、「北極圏」と聞いてイメージされるよりはそこまで気温は低くありませんでした。
一般的な日本の冬くらいのテンションかな?
しかし、実際は滞在中ちょうど風が強かったこともあり、体感気温はこれよりも断然低かったように感じました。
キッチンエリアにあった温度計も、日中でも2℃台と記録されていたので、おおよそ5℃以下の環境だったのかなと推測しています。
寒さは天候や各々の装備に左右される面も結構あると思いますが、6月上旬に泊まった感覚としてはこんな感じです。
一応の参考にしてください。



晴天かつ無風だった帰る日だけは少しあたたかかったにゃ
テントや寝袋、マットは現地でレンタルすることもできるので、適当な装備を持っていない方はその手もアリ。
気になる方は公式ホームページを見たり問い合わせたりしてみてください。
立地は少し不便
キャンプ場の周辺には何もありません。
空港に近い反面、お店などが並んでいる街の中心部までは5kmほど離れているので、ショッピングや外食などをするには少し不便です。
空港からは街へと行くシャトルバスが出ているので、それを利用して街へと行くことができますが、北欧価格なのか僻地価格なのか、これが結構いいお値段するんですよね。
片道大人1人NOK110。(2025年12月時点)
当然ですがタクシーはもっと高いです。
レンタカーもいいお値段します。
ちょっと買い物に〜なんて気軽に行けるような感じではありません。
おまけに、シャトルバスは飛行機の離発着に合わせて出ているので、あまり便数のないスヴァールバルでは街との行き来の時間になかなかの制限が出てしまいます。
そのため、キャンプ場滞在では基本空き時間にショッピングなどをするのは難しいと考えておいたほうがいいでしょう。
街観光をしたい場合は、1日にまとめてするのがベストです。
街自体はこぢんまりとしているので、1日で全然見て回れます。
また、同様にスーパーマーケットも街中にしかないので、水や食料は予め持参するか、初日に街に行ってまとめ買いしておきましょう。
しかし、ツアーの送迎はしっかりキャンプ場や空港まで来てくれるので、特別困ったことはありませんでした◎
参加したツアー①の様子はこちら。


参加したツアー②の様子はこちら。


街へは自転車の利用がおすすめ
そんな少し不便な立地ですが、キャンプ場にはレンタルできる自転車がいくつかあります。


街へ行くには空港のシャトルバスもありですが、上記のように時間に制約ができてしまうので、この自転車を利用するのがおすすめ。
レンタル料金は1日NOK100。(2025年12月時点)
シャトルバスの半額(往復)で済む上、時間を気にする必要がなく好きに散策できます。
ただ、この自転車結構座面が高く、アジア人にはちょっと辛いです。笑


これでもなんと一番低い状態。
乗ると地面に足が届かないどころか、そもそも乗るのさえ一苦労でした。
なんとか漕ぐことはできましたが、いちいち足がピーンと伸びるので、ケンケン乗りすら難しい高さ。
周囲に段差を見つけてはそこに上ってからサドルに跨っていました。
身長170cmの夫は普通に乗り始めることができていましたが、それでも普段乗る自転車よりは高いようでした。


加えて、手元のブレーキはありません。
ペダルを後ろに回すとブレーキが効くシステムなのですが、ブレーキは結構キツめにかかるので、優しくじんわりちょっとだけ後ろに回すのがコツです。
日本での自転車の癖で、漕がない間にちょっと軽く後ろに回すなんてことをしてしまうと、ガッと止まるのでつんのめりそうになります。
ただでさえ足が地面に届かないのに、慣れないブレーキシステムで少し怖い自転車でした。
よって、日本人男性の平均ほどの身長がある方は最悪足がつくので大丈夫かと思われますが、私のような小柄な方の場合は少し厳しい可能性もあります。
しかし、私でも何とか乗りこなして無事故無傷で帰ってくることができたので、スピードを出しすぎない、人混みや下り坂では乗るのを控えるなど、十分に注意をすれば問題なく乗れる自転車かと思います。



でも本当に気をつけるにゃ
1台くらい子どもサイズとか欲しい。笑
キャンプ場周りだけでも楽しみはある
周りには空港以外何もなく、ショッピングも一苦労な場所ですが、キャンプ場の周囲だけでも十分に楽しめます。
キャンプ場の目の前には水場があり、そこに集まる鳥さんたちを見ることができます。




キッチンエリアにある望遠鏡で見られるのもこのキャンプ場前の水場にいる子たち。
数種類のたくさんの子たちが見られるので、バードウォッチングが好きな方にはぴったり!
なんならカオジロガンたちはキャンプ場内を普通にうろうろしています。
また、たまーにトナカイもやってきていました。




キャンプ場には柵があるので、トナカイが中に入ってくることはありませんが、寒い地域ならではの野生動物を近くで観察できてとっても癒やされました。
スヴァールバルのトナカイさんはだいぶ人慣れしているのか、出会う子みんな近づいても逃げないどころか、我々のことを全く気にも留めていないようでした。





トナカイは街のほうでも普通に見られたにゃ
空き時間はショッピングの代わりに動物観察もいいかもしれません。
おわりに
スヴァールバル諸島ではドミトリー部屋でも結構なお値段がするので、このキャンプ場は節約したい勢にはとっても助かる宿泊先!(2025年12月時点で大人1人1泊NOK180)
総合的になかなかいいキャンプ場で、寒さ以外は快適に過ごすことができました。
このキャンプ場は基本夏期のみの営業のようなので、寒さ自体も対策次第で十分になんとかなる程度です。
ツアーで一緒になったおっちゃんに「キャンプ場に泊まってるよ」と言ったら、「タフだね」と言われましたが。笑





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