こんにちは!Rieです。
マダガスカルの有名な動物、キツネザル。
マダガスカルに行くならぜひとも現地で生息している子に会ってみたい!と思う方も多いはず。
しかし、マダガスカルといえども野生のキツネザルって実は意外と簡単には見られないんです。(私も普通にその辺にいるものだと思っていた。笑)
そんな状況の中で、比較的簡単に手軽に彼らに会いたいという人におすすめなのがレミュールパークです。
野生のキツネザルが簡単に見られない理由
①生息地が限られている
この種類はこのエリア、この子たちはこの地域、というように生息地が限定されていることが多いです。
あの有名なワオキツネザルも、生息しているのはマダガスカルの南部のみ。
首都アンタナナリボはマダガスカルの中央部あたりに位置しているため、ワオキツネザルの生息地からは遠く離れています。
しかし、マダガスカル全土にいないこと、これは何ら珍しい話ではありません。
オーストラリアのコアラでさえも一部の地域にしか生息していません。(カンガルーは全土にめっちゃいます。笑)
ですが、100種類以上いるキツネザルのほとんどが絶滅危惧種に指定されており、森林破壊や気候変動などによって彼らの生息地が現在もどんどん失われていっている状況です。
もちろん行くところに行けば見られるわけですが、生息地も生息数も少なくなってきていることから、簡単に見られる動物ではないというわけです。
②マダガスカルの交通事情は決してよろしくない
加えて、マダガスカルの交通事情はお世辞にもいいとは言えない、正直な言葉で言えばなかなかに酷い状態です。
これが一番の原因だと感じています。
飛行機は飛んでいますが、就航都市が限られている上に費用はお高め。
現地のバスに乗ったり車をチャーターしたりして移動するのが一般的ですが、車は古く、バスの種類によっては現地の人たちとすし詰め状態、道路は穴だらけのガタガタ道が続く区間や未舗装道路も多いです。
そのため、思った以上にとても時間がかかります。
アンタナナリボの中心地では、交通量の多さから少し郊外に出るのさえ一苦労なことも。
環境的にも時間的にも過酷な旅路になるため、そもそもまず生息地に行くこと自体がだいぶ大変なのです。
レミュールパーク(Lemurs’ Park)
なるべくそのような過酷な思いをしたくない方たちにおすすめなのがここ。
首都アンタナナリボから西に20kmほど行ったところにあるキツネザルの保護区です。
ホームページによると9種類のキツネザルたちがこの保護区内で暮らしているようです。
多少人の手が入った私設の保護区のため、野生というわけではないのですが、半野生といったところのキツネザルさんたちが見られます。
この保護区の横には川が流れており、ガイドさんによると、キツネザルは水が苦手で川には行かないため、柵などを設けなくても保護区外に出ることはないんだとか。
そんな地形をうまく利用したこの場所で、彼らが暮らすエリア内を散策することで、キツネザルさんたちの自然な姿を見ることができます。
料金
大人 | 75000Ar |
子ども(5〜12歳) | 30000Ar |
【※単位:マダガスカル・アリアリ(Ar)、現在1Ar=およそ0.033円】
入場料+ガイド料の料金ですが、ガイドさんには別途チップが必要です。
私たちは最後に10000Arを渡しました。
この料金で約1時間半の散策です。
少しお高めの値段設定ですが、行きやすさや見やすさを考えると、この出費もやむなし。
いざ、保護区内へ!
まずは注意事項の説明がありました。
レミュールパークでは以下のことを守りましょう。
・キツネザルに触らない
・エサを与えない
・2mの距離をとる
ガイドさんに続いて保護区内へと入っていきます。
序盤は植物について色々ガイドしてくれ、小さなバオバブの木なんかも見つつ歩いていくと、まず現れたのはクロキツネザル。

この3匹はパパママ子どもの家族だそうです。(写真右からママ、パパ、子ども)
ぴっとり寄り添っていたりお互いを毛繕いし合ったり、みんなで仲睦まじく過ごす様子にとても癒やされました。








1種類目から十分にみることができて最高です。
かわいすぎる。
まだまだ見てはいたかったけど先へ進みます。
次に現れたのはクロカンムリシファカ。

木の上で活発に活動していました。


ベローシファカと同じシファカだけども、この子たちは横っ跳びしないのでしょうか。
するならぜひとも見たい!
と願いつつの観察でしたが、みんな木の上が大好きなようでなかなか降りてくることはありませんでした。笑
唯一見られたのが、木→地面→竹の上と移動するときのジャンプ。

横っ飛びでもなんでもありませんが、2本足で立ってジャンプする様子が見られたのでよしとします。笑
いつかベローシファカの立派な横っ飛びも見たいな。
そして彼らのすぐ隣にはコクレルシファカがいました。

みんな黙々と食べていたり黄昏れていたりでずっと後ろを向いており、あまりよく見られなかったのですが、ここから少し進んだ先でちょうど目の前の見やすい木でお食事中の子に遭遇。
こっち向きで食べてくれていました。
さらに奥には1匹で体育座りのように座っている子も。
近づいても写真を撮っても全く動じず、ただただそこに座っていてくれたので、とても写真が撮りやすかった。
何をするでもなくほんとにただじっと座っているだけなのですが、これは何をしているのでしょうか。
なかなかに哀愁がすごかったです。笑


この子の後ろの木々には4種類目、クロシロエリマキキツネザルが。
彼らは活発に動き回るでもなく、どっしりと構えていてなんだか主感がすごかったです。笑


キツネザルといえども本当に色んな子がいるなあと。
どの子がどれで◯番目に見た子がなんて種類だったかなど分からなくなってしまいそうです。笑
そこからしばらく歩くと、高い木の上にまたもコクレルシファカがいました。

肉眼で見るには遠すぎるほど高いところにいたので、この子たちは先ほど見られたこともあり1枚撮ったらまた先に進みました。
ここで突如ガイドさんに「日本人?」と聞かれたので「そうだよ」と答えると、集団で生えている竹を指して「この竹は日本から来たんだよ」と。
そのときはなぜ遠い日本からわざわざ?と不思議だったのですが、後から調べてみるとこの保護区の設立には日本人が関わったようです。
そして「日本人って竹を食べるんでしょ?」とも聞かれました。
やはり外国の方からしたら不思議な感覚なのでしょうね。
正確にはもちろん筍ですが、とりあえずメンマを紹介しときました。
今落ち着いて考えると、煮物とか炊き込みご飯とか色々もっと「THE 筍」な料理があったのに、そのときはメンマ以外パッと出てこず、必死に「ラーメンっていうヌードルと一緒に食べるよ」と説明していました。笑

と、ここでカメレオンを発見!
別の公園では見ることができなかったカメレオンに出会えて嬉しかったです。
風が吹いて留まっていた枝がぐわんぐわん揺れても、微動だにせずそのままの姿勢で掴まっていたのが面白かわいかった。笑

近くにはホウシャガメもいました。
カメさんだけは塀に囲まれており、ここだけ動物園感がすごかったけども。笑

キツネザル以外にも見どころがあるようです。
そしてそして、この子を見ずにマダガスカルは去れません。

ワオキツネザルちゃん!
最後までいなかったので、「これはもしや見れないってことある…?」と少し不安になっていたのですが、無事に会えました!
大トリとして最後に待っていてくれたんですねきっと。
この子たちはみんな活発で飛んだり走ったり自由に動き回っていました。
もちろんのんびりしている子やひたすら日光浴をしている子も。
見ていて全然飽きません。
我々のすぐ足元を歩いて通過してくれるなどサービス精神もばっちり◎










最後、帰り際にはクロシロエリマキキツネザルちゃんが再び。



そしてまた最初の建物に戻ってきて終了。
結果、9種類中5種類のキツネザルさんに会うことができました。
全種類に会うことを目標にしていましたが、残念ながらそれは叶わず。
ぜひとも見たかった横っ跳びベローシファカも見ることはできませんでしたが、絶対に会いたかったワオキツネザルをはじめ、出会ったキツネザルさんみんなかわいくて、ホウシャガメやカメレオンも一目見ることができて、とっても充実した時間でした。
最後にお土産売り場をふらついて、アンタナナリボへと帰ります。
ここにはレストランもあるので、この後ゆっくり食事を楽しむのもいいかも。

アクセス方法
アンタナナリボから乗り合いバスやタクシーで行くことができます。
私たちはアヌシ湖(Lake Anosy)近くのバス停から乗り合いバスで行きました。

Googleマップにもバス停マークが記載されているところです。
大きなメイン通りにあるバス停で、色んなバスが通りたくさんの人々が乗り降りし、周辺には露店もたくさん構えられているのでとてもごちゃごちゃしています。
印の場所にバスの絵が描かれた看板が立っているので、そこで待っていれば大丈夫です。
確かそばにお花屋さんがあったと思います。
乗るバスはG。
行き先や細かいところはあまり見ていないため覚えていませんが、とりあえずフロントガラスにGと表示のあるバスに凸りました。笑
「レミュールパーク?」と聞いて「行くよ」との返事をもらえたので無事乗車。
料金は1人1800Arでした。
他の番号や行き先はしょっちゅう来るのですが、Gのバスはあまり来ないのと、来ても止まらず通過ということもあったので、不安になるかもしれませんが気長に待っていましょう。



もしくは、現地の人からはまた別の乗り場を紹介されました。

病院の先にある通りで、Googleマップには「Bus stop to Imeritsiatosika – Line G」とピンが立っています。
Gラインはこちらの乗り場の方がメジャーなのでしょうか。
すでに止まっているバスがおり、始発点のような感じでした。
「レミュールパーク?」と聞くとこちらもきちんと「行くよ」とのこと。
ここから乗ったときは途中下車してしまったので自分ではっきりと確認は取れていませんが、先ほどのバス停とこちらのバス停、どちらの乗り場からでも行くことができるようです。
そして、降りたのはレミュールパークを少し過ぎたところ、川の上にかかっている橋を渡りきったところで降りました。

そこからは歩いて向かいます。
レミュールパークはバスで通ってきた大通り沿いではなく、少し中に入ったところに位置しているため、レミュールパーク方面に向かって橋を渡ったら、左に延びる脇道に入って歩いていってください。


Googleマップを参考にしているとそのまま大通りを歩いてしまいそうになるので注意です。
私たちもそれに騙されて「え、なくない?」となりました。笑
正しい道に沿って歩いていくと入り口が見えてくるので、迷わずに行けると思います◎

帰りは行きで降ろしてもらったところまで歩いていき、やってきたバスに乗り込みました。
タイミングが良かったのかそこまで待ちませんでした。

レミュールパーク周辺は田舎町という雰囲気で交通量もとても少なく、タクシーなどいる気配もなかったので、タクシーで行く方は運転手さんに現地で待っておいてもらったほうがいいと思います。
時間には余裕をもった旅程を
そして、このレミュールパークへ行く濃いグレーの道(マップ参照)はとても混雑します。

20kmならば本来20分程度で行けるかと思いますが、1時間程度はかかると考えていた方がいいかもしれません。
私たちもすっかり渋滞にハマってしまい、レミュールパークへ行くだけでとても時間がかかりました。
実は時間がかかりすぎて一度断念しており、次の日に再トライしてようやく行くことができました。
1回目はなかなか進まないどころか全く進まない状況がずっと続き、2時間近くかかって進めたのはなんと2km程度。
バス停がある大通りすらも抜けられていませんでした。
さすがにこのままでは帰りも遅くなってしまうおそれがあったため、お金はもったいないですが降りました。(現地の人ですら私たちよりも先に何人も降りていたので、ここまで進まないのは特異例かも?)
ただ、レミュールパークと伝えたはずがなぜか2人で1600Arしか請求されておらず、ダメージは最小限で済んだのが不幸中の幸い。笑
大渋滞の原因を突き止めようと先に歩いてみると、川の手前にある環状交差点で交通整理をしており、完全に車の通行が止められていました。
全く進まなかった原因はこれ。
渋滞中に横を颯爽と過ぎ去るバイクが羨ましかったのですが、彼らも結局はここで止められていました。
2回目のリベンジのときもその交差点までは安定して渋滞が起きており進みは悪かったですが、前日よりは酷くなく、ある程度で抜けることができました。
その交差点を越えるとスムーズに行くことができます。
乗車してから1時間ほどでレミュールパークに到着しました。
行き帰りともに、バスをつかまえるのも目的地に到着するまでも十分な時間がかかると考えて、時間に余裕を持った予定を組むといいかと思います。
手軽に行けると言っておきながらこのような感じですが、マダガスカルの中ではだいぶ手軽だと思います。笑
おわりに

思ったより人工物はあったけど、思ったより近くでしっかり見られて、思ったより最高に楽しかったレミュールパーク。
野生重視の私たちはもともと行く予定ではありませんでしたが、キツネザルって意外と見られないんだということを悟り、最後に行くことにしました。
来られて野生の姿のような子たちを見られてよかったなと思っています。
おかげで強い後悔を残さずにマダガスカルを出ることができました。
「キツネザルなしにマダガスカルは去れねえ」という方、ぜひともおすすめです!
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